介護施設における見守りとは、ただ利用者を見ているだけではありません。利用者が自分で行動をするときに、転倒や誤飲のリスクに注意しながら、いざというときのためにそばにいて行動を観察することです。そのため、介護施設で見守るときは、どの利用者の、どの行動を、どのように見守るのか、また急に状況が変わったらどうするのかなどを把握し、目的をもって見守ります。
ここで注意が必要なのは、介護施設での見守りが利用者を監視する行為にならないようにしなければいけない、ということです。そこで見守るときのポイントは、利用者がどう動くのか行動を先読みして、介助が無くても自分で動けるような状況を作っておきます。そのためには利用者や情報共有する職員と、日ごろからコミュニケーションを取り、利用者の行動を把握して、動線上の障害物を取り除いておくなど、安全を確保しておくといいです。
車椅子や歩行器で移動する利用者がいる場合は、通路の安全性を確認しておき、走行の妨げにならないようにしておくといいでしょう。また、日中うとうとして夜間寝られない利用者がいる場合は、日中は眠くならないように話しかけたりする工夫するといいです。夜間は特に、介護施設の職員の人数も少なくなるので、負担を減らすためにセンサーや見守りカメラなどの機器を使った見守りを行う方法もあります。このように、介護施設の見守りは監視ではなく利用者のサポートを目的とし、安全に利用者に寄り添った見守りであるといいでしょう。